『第5回 中映協映像コンテスト』『審査委員長 特別賞』について


中京ビデオセンター
丹羽 浩治

“奥飛騨に風をはこべ”で審査員長 特別賞をいただき、ありがとうございます。
これまで賞とは縁のなかった私が、はじめていただいたもので、とても嬉しく思っています。

この番組は平成15年から飛騨トンネルでの取材をはじめ、今年で4年目になります。飛騨トンネルは本坑と先進坑の2つのトンネルを掘削しており、特に今回は先進坑で貫通直前にかなりドラマチックな動きがありました。
取材をさせていただいた作業員リーダーの入口さんも職人気質の朴訥とした話し方も番組的に感情移入できたかと思います。
トンネルの中、特に掘削機の周りは機械の熱がこもり、常時30度以上で湿度も100%近くという、撮影機材にも肉体的にも過酷な環境でした。
そんな中、24時間体制で働くトンネルマンの仕事ぶりを私たちは目にすることはありません。貫通までは掘っても掘っても周りの景色が変わることもない現場で8年間も掘削を続けた上に、貫通直前で起こった崩落で挫折を味わった作業員の気持ちが少しでも伝わればと思い制作しました。
このコンテストでの受賞も大変嬉しく思いますが、番組の放送後に、取材した入口さん自身から連絡をもらい、“ありがとう、よかったよ”と言われたのが
制作者として嬉しく、充実感が得られた瞬間でもありました。


【戻る】